この度、歴史と伝統のある日本呼吸器学会・日本結核 非結核性抗酸菌症学会・日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会九州支部秋季学術講演会の第87回大会の大会長を仰せつかり、大変光栄に感じております。きたる2021年10月22日(金)、23日(土)の日程で、ハイブリッド形式を用いて熊本城ホールで開催させていただきます。熊本での開催は、平成22年、23年に開催された第65回の興梠博次先生、第66回の吉永健先生以来、11年ぶりの開催となります。
2020年2月に端を発したCOVID-19パンデミックは、人類が経験したことのない社会生活の大きな変化をもたらしています。その社会生活の基盤である健康を支える医療分野、その中でも最前線である呼吸器という臓器を専門として担当する私達は、社会的な使命を果たすべく無我夢中になってCOVID-19に対峙してきたというのが現状ではないでしょうか。そのような最中だからこそ、ご参加いただける皆さまが集中的に最新の知見を学び、これからの診療、研究の一助となる機会になればと存じます。
今回は特別講演を3題企画いたしました。新潟大学呼吸器感染症内科学分野教授の菊地利明先生にはCOVID-19以外の呼吸器感染症をトピックスとして『新規抗菌薬の使い方』、千葉大学呼吸器内科学教授の鈴木拓児先生からは近年明らかになってきた肺胞マクロファージの系譜から、関連する肺胞蛋白症の病態に至るまでを『難治性呼吸器疾患病態解明への包括的アプローチ -マクロファージと肺サーファクタント』というテーマで、また島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター センター長の長尾大志先生には『私の呼吸器内科教育史』の題名で呼吸器病学教育について、それぞれご講演いただきます。シンポジウムでは呼吸器悪性腫瘍、びまん性肺疾患、喘息、COVID-19を取り上げ九州・沖縄地区のエキスパートの先生方より最新の知見を教えていただきます。また、メジャー診療科の中でも学会員数、専門医数の比較的少ない呼吸器学会ではこれからの呼吸器診療を担う若手人材育成は喫近の課題であります。コロナ禍でもあり通常の医学生教育、専攻医確保を行う事が難しい中で、各施設がどのような工夫をされているのかを共有する機会として、シンポジウムに『コロナ禍での呼吸器病教育』を取り上げ、また『呼吸器内科を志す専攻医勧誘』のタイトルで緊急企画を予定いたしました。お忙しい中に、演者、座長をお引受けいただきました先生方、ならびに本会の開催にあたりご支援いただきました企業の皆様にはこの場を借りまして深く感謝を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染流行状況、社会状況は予断を許しませんが、皆様に於かれましては、お許しいただけるようであれば、ぜひ熊本の会場まで足をお運びの上で対面でのご講演、ご聴講をいただき、ご親交を深めていただく久しぶりの機会にしていただければと願っております。現地参加、リモート参加のいずれにしましても皆様にとって、有意義な学術講演会になりますよう鋭意準備を進めつつ、皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げます。 |